果てる

若者らしい遊びを、週末にいっぱいしました。
クラブに行ってはしゃぎました。
言う相手を選ばなきゃいけないようなこともありました。
眠気と微弱な二日酔いでぶっ倒れそうになりながら動物園に行きました。
これまた言う相手を選ばなきゃいけないようなこともありました。
お酒を飲み、映画を観て、ギターを弾き。

いずれにせよ自分にはおおごと。

感化されやすい僕はやはり映画に揺らがされました。
優しいヒーローが出てくる話。
何よりもきらめく信念を、決して裏切らない、正しいと信じたことを貫くヒーローの話。

楽しいはずのことをいっぱいして、無い物ねだりか楽しさだけでは生きていけないという気がして、疲れが残ってよく眠れればいいと思って自分なりに暴れてみたら、とにかく疲れてに疲れて。
今日はよく眠れるとは思う。
でも、眠れるだけ。眠って起きるだけ。元に戻るだけ。
ごたまぜに掻き混ぜた僕のスープが、眠って起きたら味の違うものになっているだろうか?
僕はこんなふうでも何か前に進んでいるんだろうか?
少しでも何かを得ているんだろうか?

好きな人に嫌われる。
好きだったはずの人はよく見たら僕の知らない顔をしているかもしれなくて。
他人の顔。
それは僕の選択の結果だと。
いろんな人が僕に近づき、離れていく。
たとえ正しいことをしたときでさえも、正しさを煙たがる人は離れていく。
それを凌駕する正しさがある?
あればいい。
生半可な正しさは、信じてやまなかろうが、選んだ時点で選ばなかったときに持っていた何かを失わせうる。

まあひょっとしたら、僕の中の些細な選択が変えてしまう物事なんて本当に小さな揺らぎみたいなものにすぎないのかもしれないけど。
あるいは、僕が今まで目をそらしていたものがほんのちょっとだけよく見えるようになった結果か。

人と人の距離感を決めるのってなんだろう。
それを変えてしまうものはなんだろう。
恋の話はもういいから。まあしてもいいけど。それ以外でも、希望につながる話ならなんでもいい。

嫌な顔くらいさせておけばいい。

嫌な顔する人は、元々嫌な顔するだけのポテンシャルを持ってたに違いない。
僕がむき出しになればなるほど、それまではごまかせていたものがごまかせなくなって。
正直になったらなっただけ好かれるなんて話はお門違いだ。
正直になったら、ますます僕のポテンシャルが発揮されるだけだ。そういう生々しい事態が起こるだけだ。それ以上でも以下でもあるまい。

正しい方に行きますか?

誰だって自分のやっていることの価値を疑うことはあるだろう。
ヒーローだって、自分が必死に守ったものに守るだけの価値があったのか、守る過程で多くを犠牲にしたのが正しかったのか、考えてしまうんじゃないか。
pay forward、という言葉はたとえば美しいけれど。
情けは人のためにならず、と言うけれど。
情けをかけた分だけ、何かが賄われないと、人は生きていくことさえできない。
全てが報われるわけじゃない。
出し惜しみをするのは悪いことじゃない。ただみんな怖いんだ。損をしたくないとか、馬鹿を見たくないとか、そういういわゆる利己的な関心からというより。自分が渡したものが受け取られなかったらどうしよう、踏みにじられたらどうしよう、という恐れ。笑う人だっているところで、それでもと足を出すのは難しいんだ。

踊り狂い頭を振って使われたエネルギーは純粋に消費され疲れを遺した。

夢を忘れるな。