くそおもしろくない仕事の話 ~先輩に質問するのほんと苦手~
いわゆる「仕事の悩みの云割は人間関係」というのを身をもって実感している。のであろう今日この頃。
おそらく先輩もそう思っているに違いない。きっと私は持て余された後輩である。
簡略化した構図としては
・鬼上司
・口下手な先輩
・口下手な後輩(俺)
という三者のトライアングルで仕事を回しているのが現状だ。ある程度円滑なコミュニケーションが成立しているのは、おそらく上司と先輩との間だけだ(見ている限りそれだって怪しいものなのだが)。
上司はわりと言いたいことを先輩にガンガン言う。そして仕事をガンガン振る。そのうち数割の仕事が俺に回ってくる。たまに雑用的な仕事が上司から直接俺に飛んでくる。
基本的には俺がやった仕事は、先輩というフィルターを通してから上司の手元に届く。だから理想としては、
上司が先輩に対して指示を出す
↓
先輩が俺にかみ砕いて伝えてくれる
↓
俺はそれにのっとって仕事をし、行き詰ったり指示がわからなかったところで先輩の指示を仰ぎながらなんとか形にする
↓
なんとか形になった成果を先輩に手渡してチェックしてもらう
↓
チェックが済んだ段階のものを上司に手渡す
という順序を踏めるといちばんありがたい気がする。もっとも、こんなのは無理だ。先輩には俺の倍くらいの仕事が降りかかっているから、いちいち先輩の指示を仰ぐわけにはいかない。
ある程度は自分で考えて、やるべきことを割り出して、それをこなしていく必要がある。
最近仕事をしていて思うのが、自分でうんうん考えながらやったことが、結果的に炎上を招いているということだ。
幸い大惨事にいたる前に先輩なり上司なりがフォローしてくれるから、今のところ、大炎上した果てに何もかも燃え尽き跡に残るのは無駄になった時間だけ、という事態に至ったことはない。と思う。
ただ、いかんせん一人であれやこれや考えてやったことが、どうも的外れだったりして、結果的に先輩の手を煩わせている。そういう事例が多発している。
基本的にうちの仕事はデスクワーク中心で、個人プレーというか自分一人でみっちりやらないとどうしようもないタイプのものだ。端的に言っちゃうが書籍の編集である。大半の時間は原稿やゲラの校正を黙々とやっている。
今日の昼休みに「先輩に上手に質問するための新入社員の心得」みたいな記事をネットで拾い読みしていたが、どうもその記事を書いたのはどこかの大企業でSEとして勤めておられる人らしく、「先輩が鬼のような形相でキーボードに連打を食らわせているところに質問持ちかけるってやりづらいっすよね」みたいな前置きをしていて、職種は違えどいたく共感した。
先輩が黙々とゲラを読んでいるところで声をかけるのはなかなかに忍びないものがある(加えて僕たちは鬼上司の目につねに怯えながら過ごしているので笑、なかなか気軽に話がしづらいという現状もある、と思う)。
しかし、コミュニケーションがしづらい状況で下っ端がいつまでも何も言わないでいると、先輩は「まあちゃんとやっているんだろう」と思ってくださってしまうのかわからないが、とにかく途中経過を気にしてきたりはしてくれない。
どん詰まりになって「できたー?」と聞いてくるだけである。
そこで「一応……」といって「自分なり」の成果を渡してしまうと、「なんじゃこりゃあああああ」という阿鼻叫喚が始まったりする。
そして上司の見ていないところにこそこそと移動し、大わらわで帳尻合わせに奔走することになるのである。
なんかアホくさい。
最初の段階で「君のやろうとしているこれはちょっと方向性がおかしいね、なぜならこれこれだから」と言ってもらえさえすれば、僕ら後輩は妙な方向に突っ走ったりしない。少なくとも、しないようには心がけることができる。
そのはずなのに、遠慮して無理やり納得しながら自分の判断だけで事を進めたりするから、かえって面倒が巨大に膨れ上がることになる。
さながら雪だるまだ。最初の雪のひとかけらがあるかないかで、その後の結果は天と地ほど変わってきてしまう。
うーん。後輩としてはどう振る舞うべきなのか。
結果から言えばやっぱり「なるべく初期の段階で質問をする」ということなのだろう。
たとえば、具体的に「ここの区切りまできたら一度先輩にお目通しを願って、おかしいところがないかチェックしてもらおう」と決めておくとか、判断に困って結論が出せそうにないと分かった段階で指示を仰ぐとか。
そういうルールを自分の中で決めておいて、それにのっとる形で早いうちから問題の芽を潰すのがいいのかもしれない。
うちの先輩は明らかに早く帰りたがりな部分があって(鬼上司が退社するやいなや席を立っていくあたりそうだと思う)、質問して手を煩わせるのもなんだか申し訳ない気がするのだけれど、その申し訳なさと仕事が炎上する申し訳なさを天秤にかけて、どっちを取るべきかはわりと明白だろう。
なるべく簡潔に、時間を取らせないように指示をあおぐしかあるまい。
どう考えても風通しがいいとは思えないうちの会社だけれど、5年は辞めないと決めているので頑張ります。修理に出して2カ月で自転車が壊れたりしてもめげません。くそが!!!